
「ロイヤルティレル古生物学博物館」の “推し化石” を紹介していくシリーズ、その②
2025年、7月18日に書きました。自分自身のための内容です。

こちらの化石について書きたかったのですが、


今回の記事では、
これってどんな生きもの? っていうお話から
●ミミズってキモい? ●電車みたいなカラダ? ●地球を豊かにするサポーター
こんな人に届きますように
恐竜や化石が好き
古生物が好き
カナダの恐竜博物館に行ってみたい


恐竜などの古生物と
化石にハマってます
日本への「オンライン授業」
カナディアンロッキー(キャンモア、バンフ、ジャスパーなど)の現在時刻。
5億年前の海から「ウルス」です



以下からは「化石ご本人」のナレーションで。


みなさん、はじめまして。5億年前の海からやってきました。「ウルス」です。
本名は Ursactis comosa(ウルスアクティス・コモーサ) ですが、私もやっと言えるようになった名前なので(笑)ニックネームの「ウルス」でお見知りおきを。
同じ時代を生きた同級生には「アノマロカリス」や「ピカイア」、「ハルキゲニア」など。彼らをご存知の方もいらっしゃるかしら? 博物館内の同じスペースで彼らにも会えます。




「キモい」なんて言わないで!
私たちは “アネリダ” (日本語だと環形動物) という「大きな生きものグループ」のメンバーです。
「アネリダ学園」には 2クラスがあります。
クリタ組(環帯類) | キータ組(多毛類) |
---|---|
土の中で暮らす ミミズやヒルなど | 主に海で活動 釣りのエサになるゴカイやイソメなど |
私(ウルス)は 5億年からキータ組に在籍中。


カナダ ロッキー山脈のバージェス頁岩(けつがん)という地層から見つけてもらいました。取り出してくれたのはカナダ・トロント大学の研究チーム。
そして、私が「新種の生きもの」だということを世界に発表してくれたのが 大澤果那(おおさわ はてな)さん。日本からカナダに渡って、キータ組メンバーの進化を研究している博士課程の研究者さんです。


でもね、「アネリダ学園(環形動物)」のメンバーがどんな姿なのかを知ると、誰もが顔をしかめるんです。


はい、たしかに見た目は不気味です。でもね、どうか外見だけで判断しないで!
私たちは地球の自然を支えているという役割りを誇りにしているんです。


環形動物は「電車」みたい? 私たちの仕組み
私たちのカラダは、たくさんの「車両(体節)」がつながった電車のような構造。この「車両ごとの仕組み」が、自然界のいろんな場面でとても役に立っているんです。
① 自在な動きでどこでもスイスイ
長い電車がカーブを曲がるとき、それぞれの車両がちょっとずつ動いてスムーズに曲がれますよね。同じように、私たちも体節をバラバラに動かせることで、狭いすき間や土の中、海の中を自由に動けるんです。
だから土を耕したり、海底をきれいにしたりすることが得意!


② 一部がダメになってもだいじょうぶ!
電車の1両がこわれても、他の車両が動けば前に進める。私たちも同じで、カラダの一部が傷ついても他の部分で生きのびられることが多いんです。
中には、一部を切り離して逃げたり、カラダを再生できる仲間も!
③ それぞれの車両がちがう役割をもってる!
スマホの中には、いろんなアプリが入っていますよね。写真を撮るアプリ、音楽を聞くアプリ、ゲームをするアプリ、友だちとお話するためのアプリ。それぞれのアプリに別々の役割りがあるから、スマホって便利に使えるんです。
例えば、●体を動かす司令塔のブロック ●食べたあとのウンチを出すブロック ●赤ちゃんをつくる準備のブロック
地球を豊かにするサポーター
土の中を掘って空気を通したり、海の底の汚れを分解したり。私たちが元気に活動することで、自然のバランスが守られています。気付かないところで、皆さんの食べ物や暮らしを支えているかもしれません。
私たちは5億年前からそんな活動をしています。


5億年以上前の化石から私たちを見つけ出しては、「どんなふうに進化してきたのか」、「具体的にどんな役割りを果たしていたのか」を調べています。
見た目が不気味で、ぬるっとして、「キモイ!」と嫌がられる私たちですが、実は、地球を豊かにするサポーターという任務。
次にミミズを見つけたときは、ちょっと立ち止まってじっくり観察してみてください。やっぱりムリでしょうか?
あとがき
博物館に展示されている化石「Ursactis comosa(ウルスアクティス・コモーサ)」の魅力は、続編で書きます。
今回はどうしても、見た目が苦手な人も多い環形動物という生きものグループ(アネリダ学園)について伝えてみたかった。



最後にぼくからの「あとがき」
ぼくが勇気を出して大澤果那さんに直メッセージを送ったのは2022年の12月。すぐにZOOMでの対話も実現してもらいました。
その後もオンラインの個人講座を開催してもらったり、古生物の研究をしている他の日本人女性たちと繋げてもらったり。現在でも親交が続いています。
穏やかな人柄と研究者としてのプロフェッショナルな一面。そんな彼女を本気でリスペクトしています。
果那さんが論文で世界に公開した「Ursactis comosa(ウルスアクティス・コモーサ)」の化石が、世界でも指折りの博物館に展示されているって本当に誇らしい!
「ウルサ」は深掘りすればするほど興味が高まります。そしてウルサが属する多毛類(キータ)のこと、お隣クラスの環帯類(クリタ)についても、ぼく自身の視点が明らかに変わりました。
環形動物という見た目が不気味な生きもの、それでも地球の生命を支える上で不可欠な彼らの活動を日本の皆さんにも伝えたい!そんな果那さんの想いをぼくなりのカタチで応援させてください。
日本語の博物館ツアーや化石探しをご一緒に





化石が大好きなぼくが同行します!


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