ロイヤルティレル博物館の展示から #07/ ただの恐竜ジオラマじゃない

2026年10月11日に書きました。7分で読めます。

このシリーズは、現在61歳のぼくが、過去の「文系な自分」に宛てた「かがく(科学)」のお話。

第7回はこちらの展示→ 「恐竜以外を探して知る」

記事を書いてる人 / 田中こういち(ロッキー)

日本人旅行者の現地ガイド
恐竜などの古生物と
  化石にハマってます
日本への「オンライン授業」

カナディアンロッキー(キャンモア、バンフ、ジャスパーなど)の現在時刻。

目次

恐竜たちが主役?

博物館に入って最初の展示がこちら。

6900万年前の世界を歩く、4体の「アルバートサウルス」→ 後のティラノサウルスのご先祖さまたちです。

恐竜たちが主役の迫力あるジオラマに見えるけど、ぜんぜん違います(笑) 

田中

もっと奥深い科学の世界なのです。

博物館による創造

このジオラマは、見つかった化石から創造された世界です。

●たくさんの化石から、少なくとも12体のアルバートサウルスが集まっていたらしい。

●年齢も大きさもバラバラな個体が、それぞれ同じ場所にいた。

●家族かもしれないし、家族じゃないかもしれない。化石からは性別も声もカラダの色も分からない。

田中

でも「一緒にいた」ことだけは間違いない!

その事実を元に、博物館が創りあげた「一場面」 それが目の前のジオラマ展示なのです。

6900万年前の景色

博物館があるドラムヘラー周辺は、「バッドランド」と呼ばれる乾いた土地。

田中

喉まで乾きそうな景色!

でも6900万年前は、まったく違う様子だったようです。

●背の高い針葉樹が茂る森 ●川の流れは増水であふれていた ●今よりもずっと暑くじめじめしていた

(博物館や研究サイトの解説から)

普段は穏やかな川や湿地帯も、大雨が続くと一気に増水して激流に変わる。12体のアルバートサウルスは、そんな状況から流された遺骸が大量の化石になったのかも。

当時の「災害?」が今の時代への “ギフト” になってくれたのかもしれません。

そんな想像もしてもらえると、展示の見え方も大きく変わります。

恐竜だけの時代じゃない

そして、見落としてほしくないポイントは「恐竜以外の生きものたち!」

恐竜と一緒に、哺乳類も、爬虫類も、お花たちも存在していた。そんな時代です。

水中にはカメ、サンショウウオ? 他にもなにかいる!

地面には花を咲かせる植物が、ちょうど広がり始めた時期。

樹上には、ディデルフォドンっていう、この時代では最大級の哺乳類。

「最大級」と言うけど、めっちゃ小さい!

ネズミにもサルにも見えたりするけど、

お腹の袋で赤ちゃんを育てる生きもの。

現代のカンガルーと同じみたいです。

恐竜が全盛だった時代に、最大級の哺乳類がどれだけ小さかったのか、

すぐ近くに「ホンモノ化石」が展示されています。ちっちゃいアゴの化石から想像してみてください。

まさに多様性!

肉食恐竜のアルバートサウルスがいるなら、当然のことながら草食恐竜たちもいたわけで。

同じ時代のエオトリケラトプス(トリケラトプスのご先祖さま)も、しっかり描かれています。

他にも同じ場所には「多くの種類」の恐竜たちが暮らしていたことも解説されています。

田中

まさに「ダイバーシティー!」(多様性)という言葉がハマる。

恐竜だけを見ていたら、もったいない

正直、恐竜ってやっぱり主役感がたっぷり!そちらへ目が向くのも当然です。

でも、ちょっと視線をずらしてみる。

木の上、足元、川の中、森の様子。

そこにいるはずの、「気付きにくい生きもの」を探してみる。

恐竜だけじゃない、白亜紀という時代全体の空気を感じることが出来るはず。

最初のジオラマをたっぷり見た後に、いちばん奥から入口方面を左右じっくり凝視してみてください。

田中

いろいろ見える!ぼくの好きな角度です。

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