ロイヤルティレル博物館の展示から #06 / 進化のバトンリレー

このシリーズは、現在61歳のぼくが、過去の「文系な自分」に宛てた「かがく(科学)」のお話。

ロイヤルティレル博物館の展示パネルをもとに書いてきた、

『命はどこから来て、どう変わってきたのか?』

そんな大切なテーマの最終章は、こんな内容。

地球上の生きものたちは、数十億年もかけて「枝分かれ」しながら進化を繰り返してきた。

2026年10月11日に書きました。9分で読めます。

記事を書いてる人 / 田中こういち(ロッキー)

日本人旅行者の現地ガイド
恐竜などの古生物と
  化石にハマってます
日本への「オンライン授業」

カナディアンロッキー(キャンモア、バンフ、ジャスパーなど)の現在時刻。

目次

1種類が2種類になる?

まず、生きものたちはどうやって「その種類」を増やしてきたのか?

1本の道が途中からふたつに分かれるような「枝分かれ」です。

①最初はみんな「同じ種類」のネズミ
*色の違いは肌の色が違うのと似てる

②真ん中に大きな川ができて交流ができない

③食べものや気候、天敵などがそれぞれ違う環境で、数万世代へと続いていく。長い時間をかけて、「同じ種類だったネズミ」が、少しずつ違うネズミになっていく。

④さらに長い時間が経って川が消えても、遺伝的にはすでに「まるで別の種類」として生きている。

たくさんの種類が存在するってことは、こうした「枝分かれ」を何度も積み重ねてきた証拠でもあるのです。

生命のバトンがずっと続くかどうか

田中

ここで、ぼくの素朴なギモン。

①「同じ種類」
②「別の種類」

2つの違いってなんだろう? 答えは、

孫、ひ孫、さらにその先の先まで、生命のバトンリレーが続くかどうか。

例①:チワワと大型犬(同じ種類!)

見た目も大きさもまったく違う。
でも、この2匹はどちらも同じ「イヌ」という種類。

交配すれば子どもが生まれるし、生まれた子どもが大人になれば、また次の世代の子ども(孫)を作ることができる。

見た目がどんなに違っても、生命のバトンがずっと続いていくから「同じ種類」です。

例②:ウマとロバ(違う種類!)

姿がソックリで、同じ種類に見える。

ウマとロバを交配させると「ラバ」という子どもが生まれます。

「じゃあ同じ種類なのか?」と思いきや、どうやら違うようです。

生まれた「ラバ」は、大人になっても自分自身の子どもを作ることができない。ウマとロバにとっては、孫が誕生せず。ここで生命のバトンリレーは止まります。

見た目の違いだけに惑わされず、「孫の世代までバトンを渡せるかどうか」

生きものたちの「親せき関係」マップ

もともとは、ずっと昔の共通のご先祖さまを持つ遠い大親戚。でも、種類が増えるにつれて、かなり遠い親戚になっていきます。

姿はまるで似ていないけど、共通点がある。

よく似ているけど、共通点が見つからない。

生きものたちが どのように分かれて増えたのか。どこで消えてしまったのか。

それらが分かる、分岐図があるんです。

解説パネルにもこんなイラストがあります。

下から4つは「同じ種類」、姿は違えど共通点があります(ライオン、トラ、オオカミ、カンガルー)

いちばん上のカメだけが「別の種類」、共通点がありません。

カンガルー、オオカミ、トラ、ライオンの共通点は、

「体毛」と「母乳」

だから、この4種類はカメよりも、お互いに近い関係だということが分かります。


そして、ぼくたち人間は?

田中

じゃあ、人間はどの生きものと近いの?

答えは、チンパンジー。

それを教えてくれるのが、こちらの展示です。

人間とチンパンジーの遺伝情報は95%以上もが一致している。

でも、チンパンジーは人間の「ご先祖さま」ではなく、

同じ祖先から枝分かれした「いとこ同士」 だという内容。

人間も「進化の途中」にいる

約800万年前の東アフリカから、人類や類人猿たちの複雑な多様化が始まったと、展示では解説されています。

物をつかめる手。
よく動く肩。
大きくなった脳。

そんな特徴を持つ生きものたちが、長い時間をかけて枝分かれしていったのです。

だから、

人間もまた、ものすごく長い進化の歴史の途中にいる生きもの。

まだまだ、ぼくたちは「完成品」ではありません。

これからも進化という枝分かれを続けていくのか、

それとも、完成を待たずに途中で枝が途切れるのか、

その行く末を眺めているのは、どんな生きものなのでしょうね。

次回からは別のテーマの展示を紹介します。

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